介護生活
梅田に住む私達夫婦が飼っているのは、柴犬のケン。
年のために足が弱り、ここ数カ月の間ケンの大好きな梅田の散歩道にも来ることができなかった。
ケンの目は、もうすでに見えていない。
梅田にあるドックランにいても、なんとか立ちあがっているという状態。
他の犬が「わんわん!」と鳴いて寄ってくるも、立ちあがって元気に挨拶はできない。
しかし小さな声で「わんわん」と鳴いて、必死にその声にこたえようとしている。
ケンは昼間の間、我が家のガレージの奥で暮らしている。
今年の春先くらいまでは散歩にもでかけ、元気よく「わんわん!」と鳴いていたのだが、足は徐々に衰え始めた。
大好きだった梅田近くの道を歩く際も、3倍もの時間がかかるようになってしまい、仕舞いに散歩にも出れなくなった。
自分で排泄ができないために、オムツをつけることに。
すっかり年をとってしまったケンだが、体調がすぐれているときはガレージの中をゆっくりと移動し、郵便屋さんに「わんわん!」と吠えてみたりする。
私はどんなに帰りが遅くなっても、まずケンの様子を見に行く。
ケンの前で腰をおろし頭をなでてやると、ケンは嬉しそうにすりよってくる。
仕事で忙しい毎日の中で、ケンの過ごす時間は唯一の癒しだ。
夜になると、玄関に入ってケンは眠る。
足が衰えてからは、排泄をすると大きな声で私達を呼ぶようになり、家族総出でケンの介護をしている状態だ。
ケンは家族の一員である以上、当然のこと。
残されたケンとの短い時間を、大切にしていきたいと思う。
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